生成AIをスポーツ分野に活用するアイデアを学んできた #AWSreInvent

生成AIをスポーツ分野に活用するアイデアを学んできた #AWSreInvent

生成AIをスポーツに応用するセッションに参加しました。生成AIをスポーツに応用することで、観客のユーザー体験を向上させることができます。そしてBedrockを使えば、選手個人の情報が外に漏れることなく、独自のモデルを構築することもできます。
Clock Icon2023.11.30

スケジュールにないセッションがやっているぞ?

おのやんです。

re:Invent 2023の会場の1つであるMandalayのRe Center(スポーツなどのレクリエーションが楽しめる体験エリア)で、生成AIのセッションが突然始まりました。re:Inventの日程を確認しても、該当のセッションは見当たりませんでした。おそらくですが、スケジュールにないサプライズセッションだったと思います。

これは聞きに行くしかない!ということで、今回は生成AIのサプライズLTの内容を紹介していきたいと思います。

セッション内容

スケジュールにないセッションだったため、タイトルは不明なのはご了承ください。

本セッションの冒頭では、生成AIそのものについて解説していました。生成AIという技術は、パラメーターの数が膨大になります。この特徴のおかげで、抽象的な概念を扱うことができます。そのため生成AIをさまざまなケースに当てはめて、簡単に一般化できます。抽象的な概念を扱えるからこそ、人間の課題解決に生成AIを利用できると主張しているんですね。

そして、その膨大なパラメータを含んだモデルは、既存のモデルである基礎モデルをベースにすることで、簡単に作成できるとも述べられていました。これによって本番環境ですぐに使用できるし、モデルのパフォーマンスの向上が期待できます。

このように、生成AIという技術は非常にクリエイティブだと考えることができます。そのため、近いうちに生成AIがメディア業界やスポーツ業界にも影響を及ぼすと主張されていました。

スポーツというものは、人間の営みによって作りあげられます。ボールを投げたり、車のレースをしたり、人が動き回ったり...基本的に、人間同士のぶつかり合いから生み出されるクリエイティブなものです。だからこそ、同じクリエイティブな特徴を持つ生成AIとスポーツは相性がいいと主張されているんですね。

ここが非常に面白かったです。生成AIをスポーツに応用するアイデアはありませんでした。さすが、Rec Center(スポーツなどのアクティビティ体験エリア)で開催するセッションなだけあります。

一口にスポーツと言ってもその活用例はたくさんあります。競技中にかける音楽の生成、実況中継の多言語翻訳、圧倒的な解像度にフレーム補完などなど。映像をスローモーションにしたり、フレームレートを上げたりすることもできます。

これらは、スポーツという分野を魅力的なものにするのには、十分強力な支援になると思いました。

ここから、話の方向性は少し変わります。データの秘密性・公共性についてのテーマに話が移っていきました。講演者が話してたのが、「一般的に、私たちは自分の個人情報のプライバシーが守られているかどうかを、かなり重点的に見る」という点です。つまり、自分の個人情報をモデルの学習に使われるのではないか?という懸念です。

これらの懸念に対しては、Amazon Bedrockを使えば問題ない、と述べていました。個人や会社特有のデータがある場合は、そのデータを使って独自に基礎モデルをカスタマイズしたりできますし、エージェントを実行してインターネット検索や社内データベースの検索などを実装したりできます。

最後に、Bedrockを使えば簡単に生成AIアプリケーションが構築できると強調されていました。講演者の方も、最初はこれほど簡単だとは思っていなかったが、午後には顧客向けのアプリケーションを開発できたと述べていました。

これについては私も共感できました。実際に、BedrockとKendraを用いて数時間でRAGができるというLTも過去に行っています。

感じたこと・学んだこと

生成AIをスポーツに応用するというアイデアは初めて聞きました。生成AIを使用すれば、どの選手がどんな場面でどんなプレーをしそうなのか予測することができます。また、選手個人のデータを学習させることで、その選手自身の"ストーリー"を紹介することができます。要は、観客のユーザー体験を向上させることができるわけですね。

そして、自分の個人情報をモデルの学習に使われることに対して、多くの人は抵抗感を感じます。この課題に対しては、Bedrockの基礎モデルを使って、データが外に漏れ出すことなく独自の生成モデルを作り上げることで防ぐことができます。この論理展開には感心しました。生成AIがスポーツと相性がいい根拠にもなると思っています。

さいごに

生成AIをスポーツに応用する具体例を、サプライズセッションを通して学ぶことができました。

動画配信サービスで選手のデータを利用したユーザー体験向上機能を実装するなど、すでにいくつかは現実世界にも出てきているそうです。ちかい将来、スポーツ中継がもっと面白くなる未来が見えてくるかもしれません。また、ここから生成AIの新たな応用先が見出されるかもしれません。では!

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